自己治癒セラミックスの応用例や実用化はいつ?医療用の人工骨との違いは?

材料工学の分野では、自己治癒セラミックス(self-healing ceramics)なるものがある、ということでした。

航空機のエンジンに使うようでしたが、鍋とか食器とか包丁とかにも応用できるのでしょうか。医療分野での応用はないのでしょうか。

また、いつごろ実用化されて、ニトリやコーナンなどのホームセンターで購入できるようになるのでしょうか。

いつごろ自己治癒セラミックスによる骨の治療を、その辺の病院で受けられるようになるのでしょう。

医療用の人工骨との違いは何でしょうか。

スポンサーリンク

自己治癒の原理は?

き裂が発生すると、液状物質(Healing material)が発生して、それが固まるという化学反応が起きる仕組みのようです。

き裂が入る前よりも修復後のほうが強度が増すということなので、使っているうちにより強くなる、という特性があるようです。

自己治癒セラミックスの応用分野は?

「軽くて熱に強いセラミックスは様々な用途に使うことができます。今回開発した自己治癒セラミックスは自動車のエンジン部品や電気製品の接点、コーティング材などにも応用可能で、人工衛星の部品などメンテナンスの困難な場所に使うことができれば、さらに大きな効果を発揮するでしょう」と中尾教授は話す。

出典:https://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/201804/201804_10_jp.html

中尾教授とは、横浜国立大学大学院工学研究院の中尾航(わたる)教授という方のことのようです。

上記のお話や、その他の資料をいろいろ見てみると、航空産業、自動車、電気製品、コーティング材(ということは建設、建築分野?)、宇宙産業、などが想定されているようです。

鍋とか食器とか包丁などへの応用は?

どうやら、なさそうでした。

ひび割れたお皿やコップが自己修復するとか、使っているうちに欠けた包丁の刃が自己修復して切れ味が自動回復するとかだったら面白いと思ったのですが、検索しても出てきませんでした。

今回開発された自己治癒セラミックスは400℃程度の温度域から自己治癒能力を発揮する

出典:https://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/201804/201804_10_jp.html

とのことなので、何もしないで自己治癒するわけではなく、熱くないといけないわけで、包丁が何もしないでも自己回復というのは無理そうですね。

というか、自己治癒セラミックスは、Self Crack Healing Ceramics であって、ひび割れの回復だから、包丁の刃が欠けたというケースは無理なのかもしれません。

鍋のひび割れが自己治癒というのだったら、鍋は加熱するものなので、将来的にはあり得そうな気がします。

医療分野への応用は?

これも、検索した限り、なさそうでした。

上で見たように、自己治癒セラミックスは温度域が400℃程度以上で回復機能を発揮するものなわけで、これを人体の中に入れて、骨の代わりにというのは意味がないのではないでしょうか。

セラミックを人工の骨として使う、というような話を聞いたことがあったので、自己治癒セラミックスを骨の怪我とか病気の治療で使えたら、何かすごいことになるのではなかろうかと思ったのですが、体内で400℃程度以上になることは普通ないはずで、無理そうな感じですね。

そもそも、人体には自己治癒機能があるから、わざわざ自己治癒機能のあるセラミックを使う必要がないのかもしれません。

スポンサーリンク

いつごろ実用化される?

「航空機用部品の場合、数多くの国際規格や国際認証をクリアしなければなりません。われわれが実用化の目安と考えているのは2030年以降で、初の国産ジェットエンジンへの搭載が目標になっています」と中尾教授は話す。

出典:https://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/201804/201804_10_jp.html

元々想定されている、航空分野でも2030年以降のようです。

ということは、それ以外の分野ではもっと遅くなるのではないでしょうか。

切れ味が自動回復する包丁ができるんじゃないかと思って、自己治癒セラミックスに興味を持ったのですが、いつになるやら、という感じですね。

医療分野における、骨の代わりにという意味での実用化は、現状なさそうです。

医療用の人工骨との違いは?

自己治癒セラミックスは、加熱を前提にしているようです。

人工骨は、金属製やセラミックス製のもの、吸収置換されるリン酸三カルシウムを用いたものなど、いろいろあるようですが、自己治癒セラミックスのように加熱するものではないようでした。

というか、現状、自己治癒セラミックスは人間の骨の代わりにすることは想定していないようです。

医療分野では、自己治癒セラミックスとは別途、人工骨の研究開発が行われているのであって、両者は文脈がまったく違うようです。

まとめ

今回は、自己治癒セラミックスをとり上げました。

現状では、航空産業、自動車、電化製品、建材、宇宙産業などへの応用が想定されており、鍋や食器、包丁などへの応用は想定されていないようでした。

骨の代わりにするという意味では、医療分野での応用はなさそうでした。

実用化は2030年以降、ニトリやコーナンなどで直接販売されるような性質のものではなさそうでした。

自己治癒セラミックスと人工骨は、どちらもセラミックスが使われているが、加熱の有無が違うようでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

スポンサーリンク