ジェームズ・ワッツの経歴とその後は?フリーマンと精神外科を推進

米国において、1930年代から1950年代にかけて、ロボトミー手術とよばれる精神疾患のための治療法があったそうです。

推進していたのは、神経学者のウォルター・フリーマン博士。実行していたのは、神経外科医のジェームズ・ワッツ医師。

ウォルター・フリーマン博士は有名ですが、手術の実行をしていたワッツ医師はどんな人でしょうか。フリーマン博士と訣別した後はどうなったのでしょうか。

スポンサーリンク

ジェームズ・ワッツの経歴

出典:collections.nlm.nih.gov https://collections.nlm.nih.gov/catalog/nlm:nlmuid-101431537-img

名前:james w. watts(James Winston Watts)

生年月日:1904年1月19日

死没:1994年11月15日(90歳)

出身:バージニア州リンチバーグ

経歴:

1928年 24歳 バージニア大学医学部卒業後、エール大学勤務
1935年 31歳 ジョージワシントン大学病院脳神経外科勤務
1936年 32歳 最初のロボトミー手術を行う
1946年 42歳 フリーマンがアイスピックロボトミー手術を始める
1947年 43歳 フリーマンと意見が対立し、協力関係が終わる
1969年 65歳 退職

出典:matome.naver.jp https://matome.naver.jp/odai/2139047925540558601

フリーマン博士が外科を専門としておらず、脳外科手術を行う資格をもっていなかったため、同僚のこの人が実際の手術を担当していたようです。

NHKの番組では、悪魔の手術という評価がされており、この人も共犯者のような扱いですが、当時の医学の水準では、他に有効な手立てがなかったこと、対応が急がれたこと、などから仕方がなかったのではなかろうかという気がしました。

悪者扱いされているのが気の毒に感じました。

ワッツ氏は、1979年時点のインタビューにおいて、

「われわれには患者の苦しみの軽減が予想できたし、自殺願望や自殺未遂といった特定の症状の軽減はかなり正確に予想することができた。強い不安や情緒的緊張についても同様だった。ところが、患者がどういう人格になるかについては、そこまで正確に予想できなかった」

出典:ameblo https://ameblo.jp/byoukikaiketu/entry-11741795092.htmlhttps://ameblo.jp/byoukikaiketu/entry-11741795092.html

と回答しています。

今の感覚からすると、人体実験的な感じなので許されないのでしょうが、当時はこんな感覚が普通だったのかもしれません。

アイスピック方式の手術に反対していたところからすると、ワッツ医師はそんなに暴走してしまった感はないような気がしました。

Watts, unlike Freeman, was a trained neurosurgeon and adamantly believed lobotomy should be performed only by a proper surgeon.

出典:wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/James_W._Watts

「ワッツはフリーマンとは異なり、訓練をうけた神経外科医であり、ロボトミー手術は適切な外科医のみが行うべきと信じていた。」とあるように、抑制的なところがあり、当時の感覚では、めちゃくちゃな人ではないのではないかと思いました。

スポンサーリンク

被害拡大を防げたか

出典:lobotomy.umwblogs.org http://lobotomy.umwblogs.org/the-begining/

NHKの番組では、フリーマンといっしょに槍玉に挙げられているようですが、この人がアイスピック方式に賛成していたら、もっと被害が拡大していたのではないでしょうか。多少は被害拡大を防げたのかもしれません。

神経学者で精神科医のフリーマン博士が暴走して被害を拡大してしまったことと、神経外科医のワッツ医師が思いとどまったことを比較すると、正規の専門教育を受けていることがどれほど大事かということを痛感せざるを得ません。

もしフリーマン博士が学者ではなく神経外科医で、外科の素養があれば、被害はもっと小さくて済んだのではないでしょうか。

精神科医が精神外科をやるのと、脳外科医が精神外科をやるのは違うのかもしれません。

この二人を見ていて、免許や資格というものが伊達にあるわけではないということが、よくわかりました。

その後は?

1980年のワシントンポストの記事に、

 While Watts continued to quietly practice and teach neurosurgery. Freeman continued his lobotomy crusade alone.

出典:washingtonpost.com https://www.washingtonpost.com/archive/politics/1980/04/07/dc-neurosurgeon-pioneered-operation-icepick-technique/d861181c-3af5-4779-96c3-f514b3a7f6cd/

「ワッツは静かに脳神経外科の練習と指導を続けた。フリーマンは一人でロボトミーの聖戦を続けた。」とあります。

この記事からは、ロボトミー手術をやっていたのかどうかは分かりませんが、ワッツ医師は、精神外科の治療ができなくなったことを嘆いているので、1950年代に向精神薬ができるまでは手術を行っていたのかもしれません。

1980年代後半までは、ジョージワシントン大学病院とは何かしらの関係があったようです。

まとめ

今回は、ウォルター・フリーマン博士とともに、ロボトミー手術を行っていた、ジェームズ・ワッツ医師をとり上げました。当時の感覚や事情では、必ずしもめちゃくちゃなことをしていた訳ではないようでした。その後は脳神経外科に戻ったようです。後知恵で槍玉にあげられているのが気の毒に思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

スポンサーリンク